ランニング中のリズムに迷ったとき、ランニングのテンポ160というキーワードで検索する人は多いかもしれません。
実際、テンポ160はテンポ走に取り組むうえでちょうどよい目安とされ、初心者から経験者まで幅広く取り入れられているリズムです。
しかし、走力や目的によって適したテンポは異なり、150・160・170・180・190といったBPMの違いによっても身体への負荷や走行感は変わります。
この記事では「ランニングに適したBPMは?」という疑問に対し、初心者でも理解しやすいようテンポ別の特徴や活用方法を解説しながら、テンポ走の効果や曲の選び方についても詳しく紹介していきます。
■本記事のポイント
- 自分に合ったランニングテンポの選び方
- テンポ160を使ったテンポ走の効果と方法
- BPMごとの走行リズムと段階的な活用法
- 目的別に適した楽曲やプレイリストの作り方
ランニングのテンポ160で最適なペースとは?
ランニングのテンポを意識すると、走りの効率や快適さが大きく変わってきます。
なかでも「テンポ160」は、リズムに乗って安定したペースを維持しやすいことから、多くのランナーに支持されています。
しかし、走力や目的によって適切なテンポは異なります。
ここでは、160BPMから段階的にテンポを高めていく方法や、自分に合ったテンポ走の組み立て方について詳しく解説します。
より質の高いランを目指す方は、ぜひ続きをご覧ください。
ランニングに適したBPMは?基礎知識ガイド
ランニングに適したBPM(ビート・パー・ミニット)は、走る強度や目的によって変わります。
初級者のジョグでは120から130からBPMが目安とされており、中強度でのランニングでは140から145からBPMが効果的です。
さらに高強度トレーニングやテンポ走を目指す場合は150から180からBPMが理想的とされています。
これは、音楽のテンポに合わせることで一歩一歩のリズムを整え、疲労感の軽減や持続力の向上に役立つという研究結果に基づいています。
たとえば、150から180からBPMで走るテンポ走を音楽でサポートすることで、心拍数が安定し、集中力を高めやすくなります 。
ただし、全員にこのBPMが適するわけではありません。
心拍数や走力、目的(体力づくり、競技力向上など)に応じて調整が必要です。
現在の走行リズムやフォームにあわない場合は、まずは低めのBPMから始めて、無理のない範囲で徐々に上げていくことが推奨されます。
このように、ランニング時に音楽BPMを意識することで、効率的なペース管理や心理的な安定感を得られます。
BPMを使うときは、自身のフィットネスレベルや走行目的に合ったテンポを選ぶことが重要です。
初心者が見る160BPMの目安と効果
初心者ランナーにとって160からBPMは、やや強めのテンポ走のラインであり、目安としては「快適だけれど少しチャレンジング」な強度に相当します。
多くのガイドでは、中強度(ジョグ~テンポ走)の音楽BPM域が140から145からBPMとされているなかで、160からBPMはその少し上に位置します 。
160からBPMを取り入れると、テンポ走としての効果が得られ、心肺機能の向上や乳酸処理能力の強化につながります。
実際、テンポ走とは最大心拍数の75から85%ほど、会話が難しくなる程度の負荷で20から30分継続するものと定義されており、この範囲で160からBPMは目安となる強度です。
一方で、初心者がいきなり160からBPMを使うと、心拍が上がりすぎたり息苦しく感じたりすることがあります。
たとえば、心拍モニター付きのペース設定では、最大心拍数の87から92%を狙うテンポ走が理想ですが、初心者ではこの数値が160からBPM超えるケースがあり、無理を避けるために短時間からの導入が望まれます 。
そのため、初心者は以下のように段階的に取り入れるとよいでしょう。
●最初は音楽BPMを140から145辺りでペースを掴む
●慣れてきたら160からBPMでテンポ走を試す(10から15分程度)
●徐々に20から30分に延ばしていく
このステップを踏むことで、負担を抑えつつテンポ走の効果を取り入れることができます。
160→170→180→190の段階的テンポ変化
段階的にBPMを上げていくことで、身体への負担を軽減しつつ走力を着実に伸ばせます。
まず160からBPMは中強度の安定したリズムを形成し、170からBPMになると接地時間が短くなって効率的な走りがしやすくなります。
Nikeによれば、170から180からBPMが平均的なランナーにとって「理想的なテンポ域」で、怪我のリスクを減らす効果も期待できるとのことです。
一方で180からBPMを超えると「ピッチ走法」に移行し、筋出力と心肺機能の負荷が一気に高まり、190からBPMに到達すると短時間でも全力に近いテンポ走になります。
ただし短期間で急に160→190からBPMまで伸ばすことは筋肉への負担が大きく、怪我の原因にもなりかねません。
ですから、まずは160からBPMに安定して対応できるようになってから、数週間かけて10からBPMずつ増やすのが望ましいです。
たとえば、160→170からBPMには1から2週間、次に175→180からBPMへはさらに2週間かける、といったスケジューリングが効果的です。
またNikeのアドバイスにあるように、テンポが170からBPM未満の場合は「スピードを上げるのではなく接地時間の短縮を目指す」のが重要で、筋力ではなく効率改善を目的とした段階的アプローチが怪我防止にもつながります。
実践するテンポ走の組み立て方
テンポ走を効果的に行うには、目的と負荷に応じたメニュー構成が欠かせません。
まずウォームアップとして10から15分ほど軽いジョギングを行い、次に目標BPMに対応するテンポ走本体(例:160から180からBPMで20から30分)を設定します。
ランニング指導で有名なダニエルズが提唱する「閾値走(Tペース)」では、最大心拍数の85から90%に相当するペースを20から30分継続するのが基本とされており、160から180からBPMはまさにこの心拍域に位置します。
このメニューを組む際には、スマートウォッチや心拍計を活用した心拍数管理や、BPMを測定できるメトロノームアプリ、テンポ追従できるプレイリストなどが役立ちます。
またインターバル形式(例:5から15分のペース走を1から2分のレストを挟んで数本繰り返す)にすれば、長時間のテンポ走が苦手な初心者でも取り組みやすくなります。
そして練習後はクールダウンジョグやストレッチで筋肉の疲労を軽減し、週に1回程度の頻度で継続して取り入れることで、着実に心肺機能やランニングエコノミーを向上できる構成になります。
このように、メニューを段階的かつ体系的に組むことによって、初心者でも安心してテンポ走を実践し、その効果を最大限に引き出せるようになります。
ランニングのテンポ160で選ぶ音楽曲リスト
テンポ160の音楽は、ランニング中のリズム感を高め、自然なストライドを引き出す強力なサポートとなります。
特にテンポ走や一定ペースでのトレーニング時には、音楽のビートに合わせて走ることで集中力を保ちやすく、ペースが乱れにくくなります。
ここでは、160BPMに合った具体的なおすすめ曲や、150から190BPMのリズム別プレイリストの構成方法、さらには初心者向けの活用術や注意点まで幅広く紹介していきます。
160BPMキープに使えるおすすめ曲
ランニングで160からBPMをキープしたいランナーに最適な楽曲はいくつかあります。
たとえばDavid Lloydの2023年の160からBPMプレイリストには、Outkastの「Hey Ya!」やTaylor Swiftの「Shake It Off」、Michael Sembelloの「Maniac」など幅広いジャンルから選ばれています。
このような曲はイントロからリズムが一定で、ジョギングからテンポ走まで自然にリズムに乗りやすいことが特徴です。
さらにRedditのランニングコミュニティでも、160から165からBPMの楽曲は「一歩一歩をビートに合わせやすく、ペースの維持に役立つ」と評価されており、8分30秒から10分/kmペースに適しているとの声がありました。
ただし、楽曲のテンポが同じでもリズムの取りやすさやメロディのテンションには個人差があります。
そのため、あなた自身の走行リズムに合う曲を数曲ピックアップしてプレイリストにまとめるのがおすすめです。
具体的にはSpotifyやApple Musicで「160からBPM Running Playlist」と検索すると、定期的に更新される楽曲が見つかりやすいので、音楽の好みに応じて日替わりで組み替えることも可能です。
走りに合った音を探すことで、継続しやすさとモチベーションの向上が期待できます。
150から190BPMの曲をリズム別に紹介
あなたの成長や気分に応じて、150から190からBPMの楽曲を使い分けることは効果的な方法です。
まず150から160からBPM帯は、ウォームアップや軽めのテンポ走に適しており、Jojo’s Top Hits 150から160からBPMプレイリストではNeon TreesやMando Diaoのようなポップ・ロック楽曲が紹介されています。
この範囲は会話がぎりぎり可能な負荷レベルに合わせやすく、安定した走行が可能です。
次に170から180からBPMでは、リズムが鋭くなるため効率よく足を動かせます。
特にTinie Tempahの「Pass Out」やArctic Monkeysの「Do Me a Favour」、Rudimentalの「Feel the Love」などが180からBPMプレイリストで紹介されており、接地時間を短縮しやすいテンポで構成されています。
さらに180から190からBPMに近づくと、Chase & StatusやStormzy、Ella Hendersonなどのダンス・エレクトロ系楽曲が登場し、短時間のハードトレーニングやインターバル向きとされています。
このように、テンポ別に曲を使い分けることで、トレーニングの目的や強度に応じて音楽のリズムを調整できます。
具体例として、週のトレーニングでは「月曜:ウォームアップ160からBPM」「水曜:中強度170から180からBPM」「金曜:スピード190からBPM」のように曲のテンポと練習内容を合わせるとメリハリのある練習ができ、継続しやすさも高まります。
初心者向け!曲で走るテンポ走術
初心者でも音楽でテンポ走を楽しむためには、楽曲選びと使い方の工夫が重要です。
まず、テンポ走とは一定の負荷で走り続けるトレーニングであり、音楽のBPM(ビート/分)をリズム合わせに使うと、自然と歩幅やストライドが安定して、疲れにくくなります。
初心者はまず150から160からBPMのテンポから始めると負担が少ないため、リズムを取りやすく、走りの制御を学びやすいです。
例えば、心拍数が最大心拍数の75%程度に収まるBPM域で、音楽に合わせて走る方法は、自然なリズムを意識でき、疲労感を軽減します。
また、音楽のリズムに合わせて呼吸を整えることも効果的で、初心者にとってはペース管理のサポートにもなります。
ただし、全員に160からBPMが最適なわけではありません。
歩幅や身体構造によっては、音楽と走りがずれることもあります。
そのため、プレイリストを作るときは曲ごとに試し、合う/合わないを記録し、少しずつ自分に最適な曲を絞り込むとよいでしょう。
最終的には「このBPM・この曲調だと走りやすい」とわかるプレイリストができ、テンポ走中の集中力やモチベーションが大幅に向上します。
プレイリスト作成の目安と注意点
効果的なランニングプレイリストを作るには、構成のバランスや音楽の特性を意識することが大切です。
まずポイントは、短めの曲を選ぶことです。
テンポが狂わず、飽きてもすぐ次へ切り替えられるため、気持ちの切れ目を防げます。
一般に手軽な4分程度の楽曲が使いやすいです。
次に、曲のつながりを意識してBPM帯をグループ化し、徐々に高めていく構成が効果的です。
たとえば、ウォームアップ用150からBPMからスタートし、中盤に160から170からBPMの曲、最後に180からBPM以上でスパートする形にすることで、トレーニングにメリハリが出ます。
ただし、注意点もあります。
まず、過度に聞き込んだ曲は反応が鈍くなる可能性があるため、定期的に楽曲を入れ替えるのが望ましいです。
また、ヘッドフォン使用時は周囲の安全確認が重要で、特に外ランでは片耳だけにするなど工夫してください。
さらに、曲調が感情を刺激しすぎるもの(例:過度に激しいメタル系など)は、初心者にはペースが維持できなくなる恐れがあるため、中強度からテンポ走向けのリズムが整った楽曲を選ぶとよいでしょう。
こうした注意点を踏まえることで、プレイリストは快適で効果的なトレーニングのパートナーとなり、初心者も安全で楽しく走りやすくなります。
【まとめ】ランニングのテンポ160について
最後に本記事で重要なポイントをまとめます。