ランニングの質を高めたいと考えるランナーにとって、ランニングパワーでガーミンの目安は非常に注目されているテーマです。
ガーミンのランニングパワーとは、走行中の努力をワット数として可視化する機能であり、ペースや心拍数では把握しづらい負荷の違いを明確にしてくれます。
この記事では、パワーの平均や目安となる数値(たとえば165W、200W、265W、300W、400W)をもとに、ガーミンのパワーゾーンでどのように強度をコントロールすれば良いのかを解説していきます。
また、ガーミンの設定方法やForerunner 965のような高精度モデルの活用法、さらにはガーミン 無酸素運動 増やし方やガーミン 持久力スコア 上げ方など、パフォーマンス向上に直結する実践的な知識も盛り込んでいます。
初めてランニングパワーを使う方でも理解しやすいよう、基礎から丁寧にご紹介します。
■本記事のポイント
- ランニングパワーが何を示す指標なのか
- ガーミンでのパワー目安とその数値の意味
- パワーゾーンや設定方法の基本的な使い方
- 持久力や無酸素能力を高めるための活用法
ガーミンのランニングパワーで目安を知る上での基本
ランニングの成果をより正確に評価し、効率よくパフォーマンスを高めていくには、「ランニングパワー」という新しい指標に注目することが欠かせません。
ガーミンではこのパワーをワット数として表示する機能があり、従来のペースや心拍数では把握しづらかった負荷の変化を可視化できます。
ここでは、まず「ランニングパワーとは何か」「パワーゾーンとは何を意味するのか」といった基本的な考え方を、初めての方にもわかりやすく解説していきます。
ガーミンのランニングパワーとは
ランニングパワーは、走る際に地面に伝える「実際の出力」(ワット)をガーミンが推定する指標です。
まず、結論から申し上げますと、ランニングパワーを使うと、ペースや心拍よりも坂道や向かい風など環境変化に応じた“瞬間の努力量”がわかりやすくなります。
これには、速度・勾配・上下左右の身体の動き・気象条件・体重など多様なデータが組み合わされているためです。
このような理由から、たとえば坂道ではペースが落ちるものの、パワーは維持されていることが把握でき、より正確にトレーニングの強度をコントロールしやすくなります。
一方で、機械式自転車とは違い、走りに合わせたパワー推定であり、あくまで“計算値”である点は注意が必要です。
このように言うと、初めて使う方にはやや複雑に感じられるかもしれません。
たとえばアップダウンが多いコースでは、心拍やペースだけでなくパワーを加味したほうが、実際の身体への負荷がより正確に理解できます。
それから、他社の計測値(たとえばStrydやApple Watch)とは測定モデルが異なるため、絶対値で比較するのではなく、自身の経時的な変化を見る目的で活用するのが効果的です。
ランニングパワーゾーンの概要
ランニングパワーゾーンは、自転車のFTP(Functional Threshold Power)ゾーンにならった区分で、目安ワット数の範囲に応じて5~7つ程度に分類されます。
結論として、ゾーン区分を活用することで「この強度でどのようなトレーニング効果が得られるか」が明確になります。
ゾーン1はリカバリー走、ゾーン3はテンポ走、ゾーン5以降はインターバルトレーニングなどとそれぞれ相応しいトレーニング内容とリンクできるためです。
理由として、ガーミンは性別・体重・推定能力(FTPなど)を元にデフォルトゾーンを設定しており、ユーザーがしきい値(TPまたはFTP)を入力することで個別に最適化できます。
また、スマートウォッチやGarmin Connectを通じて、これらのゾーンを手動で調整可能です。
割合でいうと、ゾーン1はから55%TP、ゾーン3は85~95%TP、ゾーン5は115%以上TPなどに分類され、一例ですがガーミンのForerunner 165ではこの設定を通じてトレーニング中の努力量管理がしやすくなっています。
ただしデメリットとして、ランニングパワー自体が推定値であるため、ゾーンの設定やTP入力を誤ると本来の強度とズレる可能性があります。
redditでも「ゾーンが合っていない」「TPが低すぎる」という声があり、設定し直すことで改善できたとの報告もあります。
そこで、まずはGarmin Connectまたはウォッチ側で「Threshold Power(またはFTP)を入力→ゾーン自動計算→フィールドへの表示/アラート設定」を行い、その後1から2回のセッションで感触を見て微調整するのが現実的です。
設定方法について
ランニングパワーを正確に使うには、まずガーミンのランニングパワー設定を整えることが重要です。
このように言うと、設定方法がどうしても複雑に思えるかもしれませんが、実際にはウォッチから簡単に操作できます。
たとえばForerunnerやEpixでは、「アクティビティとアプリ」→「ランニング」→「アクティビティ設定」→「ランニングパワー設定」の順で進みます。
その後、「記録を有効化」「センサーの選択(スマートモード/手首ベース/外部センサー)」「風を考慮するか」を選べます 。
またウェアラブルからデータフィールドやアラートも設定でき、リアルタイムでパワー表示やゾーン通知が可能です。
Garmin Connectでも同様にゾーンのカスタマイズや推定FTP(TP)入力ができます 。
しかし、注意点があります。
設定で「手首ベース」にしていると、リズムや腕の動き次第で誤差が入りやすいです。
外部センサー(例:HRM Pro Plus)を使用すれば、精度が向上することがガーミンフォーラムでも報告されています。
このため、まずはデフォルト設定で運用開始し、精度に満足できない場合はセンサー接続を検討するのが現実的です。
無酸素運動の増やし方との関連
ガーミンで「無酸素運動」(Anaerobic Training Effect)を高めるには、短時間高強度のインターバルトレーニングが効果的です。
まず、無酸素トレーニングの評価指標では、10~120秒程度の高強度区間が基準になっており、これを繰り返すことで「無酸素トレーニング効果」が向上します。
たとえば30秒全力疾走+2~3分レストのセットを10回行うトレーニングは、Garminで「無酸素効果」が高く出やすく、実際にredditなどでも「Sprintは10から15秒全力/2分休息で効果がある」との報告が複数見られます。
このように言うと、「やり過ぎると疲労や故障のリスクがあるのでは」と思われるかもしれません。
無酸素運動効果が4.0以上(オーバーリーチ)の状態はリカバリーが必要になることもあります 。
したがって週1回程度の実施が推奨され、心拍ストラップと組み合わせて実際の強度を確認しつつ行うのが安全です 。
このように、高強度トレーニングは無酸素能力向上に直結しますが、リスク管理も両立して計画することが大切です。
ガーミンのランニングパワーで目安を具体的数値で見る
ランニングパワーを効果的に活用するには、数値の目安を具体的に把握しておくことが欠かせません。
ガーミンではパワーの絶対値だけでなく、自身のレベルや目的に応じた出力ゾーンの使い分けが可能です。
たとえば、165Wは初心者のジョグ、265Wは持久力向上、400Wは高強度トレーニングに対応するなど、ワット数ごとに目安が異なります。
ここでは、それぞれの数値が実際にどのような強度を示し、どのようなトレーニングに適しているかを詳しく解説します。
平均パワー200wのランニング強度目安
ランニング中に出力する「平均パワー200W」は、ガーミンの多くのモデルで初期設定として使われる基準値です。
初心者から中級者が一般的なペースでジョグやリカバリー走を行う際のパワーとして適しています。
具体的には、Garmin ConnectやForerunnerでFTP(Threshold Power)を未設定のまま利用すると、自動的に200Wが基準となることが公式フォーラムで報告されています 。
ただし、この200Wは個人差を考慮していない推定値です。
そのため、「200W=自分の適切な強度」として使い続けると、トレーニング効果の把握や負荷管理にズレが生じる可能性があります。
そのことに気づいたユーザーは、自身の10㎞ランなどの結果からFTPを調整し、ゾーンの精度を高めていることがredditなどのコミュニティでも見受けられます 。
理想的には、自分の心拍やペース、感覚と照らし合わせながらゾーンを微調整した上で活用するのが望ましいでしょう。
300wが示すトレーニング領域
平均パワー300Wは、「中から高強度域」に該当し、テンポ走やしっかりと負荷のかかるLSDの一部に位置付けられます。
ガーミン本体やGarmin Connect上で出力されているパワーが300Wほどになると、軽いジョギング(ゾーン2)よりもやや上の強度で、心肺や筋持久力のトレーニングに有効です。
ただし、絶対値の300Wを盲信するのは避けるべきです。
その理由は、体重や走り方、センサーの有無(手首のみ vs HRM Pro など)によって推定値に差が出やすいためです。
実際に、フォーラムでは「300Wでもリカバリー走の心拍で済むことがある」「装着するセンサーで数十Wの誤差が出る」といった意見が多く報告されています 。
このため、パワーだけで判断するのではなく、W/kg値や心拍、体感と併せて評価することで、より正確にトレーニング強度を把握しやすくなります。
高強度指標としての400w
ランニングパワーで400Wという出力は、非常に高い強度を示す指標です。
まず、400Wは短時間の全力疾走やスプリントに相当するレベルで、持久走の範囲を超えた“最大努力”領域に分類されます。
ガーミン公式ドキュメントにも、ランニングパワーは坂道・風などの負荷を反映し、ランニングという不確実な環境下での“努力量”を評価する手段として有効であると記されています。
ただし、400Wという数値は心拍や速度と比べて一見驚異的に見えるものの、ランニングにおけるワット数は自転車とは根本的に異なります。
redditやガーミンフォーラムでは、「400Wが普通」や「歩くようなジョグでも400Wを超える」といった報告もあります 。
それは、ガーミンのパワー推定方式が垂直・横方向の“無駄な動き”も含めて算出するためです。
一方で、この算出モデルを一貫して使用することで、自身の努力の傾向や変化を可視化できるという利点もあります。
そのため、400Wという高強度指標を“一つの努力ゲージ”として捉え、他の指標(心拍・W/kg・体感)と併用しながら総合的にトレーニング効果を把握することが有用です。
中程度強度の目安265wとは?
パワー約265Wは、中程度の強度に該当し、持久走(ゾーン3)やテンポ走の目安として使われる値です。
ゾーン3では、「快適で、やや息が弾む程度」の負荷がかかるため、心肺と筋力のバランス強化に適しています。
ガーミンが提供する標準的なゾーン構成では、ゾーン3はTP(特性閾値パワー)の85~95%程度の出力であり、多くのランナーにとって265W前後が当てはまります 。
しかし、前述の通り、個人差や測定条件により265Wが必ずしもすべての人に中程度強度を示すとは限りません。
redditでは「ゾーン2で300Wでもリカバリー走の心拍数だった」「センサーによって数十Wのばらつきが出る」といった声も確認されています 。
そこで、多くのユーザーは「自分のFTPをジョギングや10km走など結果から逆算してTPを調整する」「心拍とパワーのズレが少ないポイントをゾーン設定に反映する」などの方法で、265Wを自分に合った強度ゾーンに整えています。
こうすることで、中程度強度の基準として265Wを安心して日々のトレーニングに活かせるようになるでしょう。
初心者から中級者目安の165wパワー
165Wの平均パワーは、ランニング初心者や中級者にとって「軽めのテンポ走」や「イージーペースのジョグ」に近い強度です。
たとえば、普段は心拍ゾーン2程度のペースで週に数回走る方にとって、165W前後は無理なく継続できる強度として機能します。
これは、ガーミンの推定による標準的な出力に基づくもので、初心者向けにやや保守的な数値だからです。
ただし、重要なのは「165Wだからこの強度」と決めつけないことです。
体重や走り方に応じて推定ワットが変動し、同じ数字でも人によって感覚が異なります。
そのため、165Wを基準にしつつ、自分の心拍数や体感と照らし合わせように調整することが大切です。
たとえば、心拍がゾーン3に入ってしまうなら、少し出力を落として160W程度に落ち着かせるのが効果的でしょう。
持久力スコア上げ方とパワー目安
ガーミンの持久力スコア(Endurance Score)は、「VOMax」だけでは捕らえきれない長時間の「持続力」を総合的に評価する新しい指標です。
長めのラン(LSD)や心拍ゾーン3以上で継続するトレーニングがスコア向上に寄与します。
たとえば週末の90分ランや、パワーゾーン3(TPの85~95%)で行う60分以上のランなどが典型的です。
また、持久力スコアは節度のある“継続的な高強度時間”を重視する設計になっており、短時間のインターバルではスコアが伸びにくいことも注意点です 。
そこで、パワーゾーンを活用して「ゾーン3の165~265W」「ゾーン4以上で400W前後」を意識しつつ、長時間行うLSDやテンポランを月に2~3回取り入れることで、持久力スコアを効率よく向上させることができます。
目安としてはLSDで200W前後、テンポ走で265W以上を維持し、週合計で持久時間を積むのが有効です。
高精度デバイスForerunner965での活用法
高精度モデルのForerunner965は、新しいセンサー群(光学心拍・気圧・加速度など)を搭載しており、ランニングパワーと関連指標をさらに精密に解析できます。
たとえば風速や勾配、上下動などがデータに反映されやすく、結果としてワット推定の精度が上がります 。
さらに、最新ファームウェア(21.19以降)では、自動ラクト閾値(LTHR)測定機能が追加され、これに合わせたパワーゾーンの更新も可能です。
ただし、腕心拍の誤差によりLTHRが過大に推定されるケースもあるため、心拍ストラップ併用やガーミンコネクトでのゾーン確認・修正を推奨します。
このように、Forerunner965を使えば、「高精度センサーによるパワー推定」「自動LTHR検出」「パワーゾーンのリアルタイム管理」が一体となり、精度の高い負荷管理が可能です。
ただし、初期設定や定期的なキャリブレーション(心拍・パワーゾーンの見直し)を怠らないように注意しましょう。
【まとめ】ガーミンのランニングパワーで目安について
最後に本記事で重要なポイントをまとめます。