かかと重心でインソールの選び方と矯正効果を徹底解説

かかと重心でインソール ランニングギア

かかと重心でインソールを探していると、どれを選ぶべきか、矯正は可能か、スニーカーや靴との相性はどうかなど、多くの疑問が生まれます。

本記事では、おすすめの考え方や矯正の考え方、かかと重心の治し方、かかと重心とスニーカーやかかと重心と靴の関係、かかと重心とつま先重心どっちが適切か、外側重心の矯正インソールおすすめや内側重心のおすすめインソールの見極め方、かかと重心でかかと痛いときの対処、かかと重心のデメリット、足の重心はどこが良いですか?という素朴な疑問、さらにインソールのかかとへの効果は?といったポイントまで、自然な日本語で丁寧に解説します。

購入や使用で失敗や後悔を避けたい方にも、実践しやすい判断軸をご用意します。

■本記事のポイント

  1. かかと重心の特徴と治し方の基本
  2. インソールの仕組みと矯正に役立つ選び方
  3. 靴やスニーカーとの相性を踏まえた活用法
  4. 痛み対策と重心バランスの整え方

かかと重心でインソールの基本と選び方

かかと重心でインソールの基本と選び方

歩くたびに体のバランスが崩れる、立っているだけで足が疲れる――そんな悩みの裏には「かかと重心」のクセが潜んでいることがあります。

重心が後ろに偏ると、足首や膝、腰への負担が増え、姿勢の歪みや痛みの原因となることも少なくありません。

こうした状態を改善するために注目されているのが、インソール(中敷き)の正しい活用です。

インソールは単なるクッションではなく、足のアライメントを整える重要なツールです。

この章では、かかと重心を理解し、デメリットや痛みの原因を解説しながら、理想の重心バランスを取り戻すためのインソール選びの基本を詳しく見ていきます。

かかと重心の治し方を理解する

かかと重心の治し方を理解する

かかと重心とは、立っているときや歩行時に体重が後方へ偏りやすくなる姿勢のことを指します。

この状態が長期間続くと、身体のバランスが崩れ、足関節や膝、股関節の運動連鎖に悪影響を及ぼすことが分かっています。

結果として、歩幅の減少、骨盤の後傾、猫背姿勢などが生じやすくなり、慢性的な腰痛や下肢の疲労感につながることがあります。

特にデスクワークや立ち仕事が多い人では、無意識のうちにかかと重心が固定化しているケースが少なくありません。

改善の第一歩は、自身の姿勢や歩行の癖を客観的に把握することです。

鏡の前やスマートフォンの動画機能を使って真横から撮影し、耳・肩・腰・くるぶしが一直線上に並んでいるかを確認します。

骨盤が後方に傾いている、膝が伸びきっている、足指が床から浮いているといったサインがあれば、かかと重心の可能性が高いといえます。

かかと重心を改善するための柱は三つあります。

第一に、足裏のアーチ機能を正しく支えるインソールの活用です。

土踏まずを適切に支えるインソールは、踵への過剰な荷重を分散し、自然な前方移動を促進します。

特にヒールカップが深く、アーチサポートが中程度から高めの製品が推奨されます。

第二に、立ち方と歩き方の再教育です。

足裏全体を意識し、重心を土踏まずから母趾球(親指の付け根)へ滑らかに移すことを意識しましょう。

歩行中は、踵から接地し、足の外側を経て母趾球へと重心を移動させる感覚を養います。

第三に、ふくらはぎや足底筋群の柔軟性を維持することです。

特にアキレス腱と足底筋膜のストレッチを日常的に行うことで、かかと重心からくる可動域の制限を防げます。

タオルギャザー(足指でタオルを引き寄せる運動)や、足裏のボールマッサージも有効です。

これらの要素を組み合わせることで、インソールの効果はより安定します。

インソールだけに頼るのではなく、姿勢と動作の改善をセットで実践することが、かかと重心矯正の近道となります。

【出典:独立行政法人労働者健康安全機構

かかと重心のデメリットを知っておこう

かかと重心のデメリットを知っておこう

かかと重心の状態が続くと、身体にはさまざまな負担が積み重なります。

特に踵骨(しょうこつ)周囲への圧力集中は、かかと痛や足底筋膜炎を引き起こす原因の一つとされています。

また、かかと重心によって足首が常に固定的に使われるようになると、足関節の可動性が低下し、地面をしっかりと蹴り出せなくなります。

結果的に、推進力が低下し、歩行効率が悪化します。

さらに、重心が後方にあることで骨盤が後傾し、背骨のS字カーブが崩れることが報告されています。

これにより、背中が丸まりやすくなり、肩こりや首のこわばりなど上半身の不調につながるケースが多いです。

特に長時間立つ仕事では、姿勢保持に必要な筋肉が過度に緊張し、全身の疲労感を感じやすくなります。

また、かかと重心のまま歩行を続けると、接地から蹴り出しへの重心移動が遅れるため、同じ距離を歩いても消費エネルギーが増加します。

その結果、筋肉への負荷が蓄積し、疲労回復が遅れる傾向があるといわれています。

整形外科領域では、このような姿勢の偏りが慢性腰痛、膝痛、股関節痛のリスク因子とされることもあります(出典:日本整形外科学会)。

したがって、かかと重心を早期に見直し、日常生活でこまめに体重のかけ方を意識することが、痛みや姿勢悪化の予防、さらには運動効率の向上につながります。

重心の小さな変化を見逃さず、姿勢改善を「継続的なメンテナンス」として考えることが重要です。

かかと重心でかかと痛い原因と対策

かかと重心でかかと痛い原因と対策

かかと重心が原因で生じるかかと痛は、単なる疲労ではなく、組織への慢性的な負担の結果であることが多いです。

代表的な要因として、踵部の脂肪パッドの圧迫、足底筋膜の過緊張、アキレス腱やふくらはぎ筋群の張りによる牽引力の増加が挙げられます。

特に、長時間の立ち仕事や硬い床での作業は、踵骨への衝撃を増大させる原因になります。

足底筋膜炎の初期段階では、足裏の筋膜に微小な炎症や損傷が生じ、朝起きた直後の一歩目で強い痛みを感じることがあります。

日本整形外科学会の報告によると、初期の足底筋膜炎においては過負荷の軽減、ストレッチ、クッション性の高い靴やインソールの使用が有効であるとされています。

参考文献(出典:足底筋膜炎の保存療法と再発予防

対策として、まず衝撃吸収性に優れたかかとパッド付きインソールの導入が推奨されます。

これにより、踵骨への垂直圧を分散し、足底組織の再生を助けます。

加えて、荷重時間の見直し、すなわち長時間の立位作業の合間に座る・歩くなどのリズムを意識的に取り入れることが効果的です。

さらに、ふくらはぎのストレッチ、足指のグーパー運動、ゴルフボールを用いた足裏マッサージなど、筋膜や腱の柔軟性を回復させるエクササイズも有用です。

これらのセルフケアを継続することで、痛みの慢性化を防ぎ、足部全体の血流改善にもつながります。

痛みが長期化している場合や、朝の一歩目で強い痛みが持続する場合は、医療機関での診断を受けましょう。

整形外科やリハビリテーション科では、超音波治療やストレッチ指導、矯正用装具などの併用治療が行われることもあります。

早期の介入によって、症状の進行を抑えることが期待できます。

足の重心はどこが良いですか?

足の重心はどこが良いですか

立位や歩行において「足の重心はどこが良いのか」という疑問は多くの人が抱きます。

結論からいえば、理想的な重心は「一点」ではなく「範囲」で捉えるべきです。

静止時には、踵・母趾球・小趾球の三点を結ぶ「三角形の中心」に重心が位置していることが理想とされています。

これにより、足裏全体に力が分散し、筋肉や関節に偏った負荷がかかりにくくなります。

歩行中は、踵から接地し、足外側のアーチを通って母趾球へと重心を移動させるのが自然な流れです。

この「ローリングモーション」は、歩行効率を高め、足裏全体をバランスよく使うための基本的な動きです。

日本理学療法士協会の資料によると、足の三点支持が保たれることで姿勢制御能力が向上し、転倒リスクも軽減されると報告されています。

重心がかかと側に偏ると、踵骨やアキレス腱周辺への負担が増し、姿勢が後方重心化します。

一方、つま先側に偏ると、ふくらはぎの筋緊張が高まり、長時間の立位で疲労が蓄積しやすくなります。

そのため、足の重心は動的に変化するものであり、「踵から前方へ流れるラインを意識する」ことがポイントです。

また、インソールはこの重心移動を補助する役割を持ちます。

外側アーチや内側アーチのバランスが崩れていると、重心の流れが偏ってしまうため、アーチサポート機能付きのインソールを利用すると、足の使い方を自然な状態に導くことができます。

特にスポーツシーンでは、重心のズレがパフォーマンス低下やケガの原因になるため、重心コントロールを意識した靴選びとインソールの活用が重要です。

さらに、デスクワーク中にも「足裏の三点を感じる」ように意識して座るだけで、骨盤の傾きや背筋の伸び方が改善しやすくなります。

立っているときだけでなく、日常生活全体で「足裏バランス」を保つ意識を持つことが、姿勢矯正の基礎になります。

インソールのかかとへの効果は?

インソールのかかとへの効果は

インソールは単なる履き心地の調整具ではなく、足部の構造的サポートを行う医療的補助具としての側面も持っています。

その効果は主に「衝撃吸収」と「アライメント補正」という二つの観点から説明されます。

第一に、衝撃吸収効果です。

歩行やランニングの際、踵にかかる衝撃は体重の1.5から3倍に達するといわれています。

この衝撃を和らげるため、EVA(エチレン酢酸ビニル)やポリウレタンなどのクッション性素材が使用されます。

特にゲルパッドや高密度フォームを使用したインソールは、接地時のピーク圧を平均15から25%軽減すると報告されています。

これにより、かかと痛や足底筋膜への過度な刺激を抑制できます。

第二に、足部アライメントの補正機能です。

かかと骨(踵骨)の傾きを安定させるヒールカップ構造や、内外側ウェッジの形状により、過回内(内側に倒れ込みすぎる状態)や過回外(外側へ倒れ込みすぎる状態)を防ぎます。

これにより、足底筋膜やアキレス腱、さらには膝関節までの運動連鎖を整える効果が期待されます。

特に矯正目的のインソールでは、足部の接地角度を3から5度以内に収めるように設計されており、重心移動がスムーズになります。

また、インソールの表面素材も快適性と安定性に大きく関係します。

滑りにくいマイクロファイバー加工や、吸湿速乾性に優れた素材は、長時間の着用でも足裏環境を快適に保ちます。

汗の蒸れや摩擦による靴擦れを防ぐことも、日常的な使用において重要なポイントです。

さらに、医療用インソール(オーソティクス)は、整形外科や義肢装具士によって個別に設計されるもので、より高い精度での足部補正を可能にします。

スポーツ選手だけでなく、立ち仕事の多い職業の人にも採用が広がっています。

インソールは、単なる快適性向上だけでなく、体全体の姿勢や動作効率に影響する要素です。

自身の重心の癖や生活環境に合わせた選択を行うことが、長期的な足の健康維持につながります。

定期的に靴とインソールの摩耗状態をチェックし、1年ごとの交換を目安に管理することが推奨されます。

かかと重心でインソールの活用とおすすめ比較

かかと重心でインソールの活用とおすすめ比較

かかと重心を改善するうえで、最も効果的なアプローチのひとつが「インソールの活用」です。

正しく選ばれたインソールは、足裏のバランスを整え、立位や歩行の安定性を高めるだけでなく、膝や腰への負担を軽減する役割も果たします。

とはいえ、人によって重心の傾き方や足の構造は異なり、外側重心・内側重心などタイプに合わせた調整が欠かせません。

この章では、矯正効果の高いインソールの特徴やタイプ別おすすめ、さらにスニーカーやビジネスシューズとの相性までを詳しく解説し、自分に合った最適な一足を見つけるための実践的なポイントを紹介します。

外側重心の矯正インソールおすすめ紹介

外側重心の矯正インソールおすすめ紹介

外側重心は、踵外側から小趾側(足の外側)にかけて体重が過度に流れる歩行・立位姿勢のことを指します。

この傾向が強まると、足首が内反しやすくなり、膝の外側や股関節外側に負担が集中しやすくなることが知られています。

特にスポーツ愛好者や立ち仕事の多い人では、この外側偏位が慢性的な痛みや疲労の原因になることも少なくありません。

日本整形外科学会の報告によれば、足の外側重心は長期的に見ると、膝外側の変形性関節症や、腓骨筋腱炎などのリスクを高める要因となる可能性があるとされています。

このような外側重心を補正するために重要なのが、インソールの「ウェッジ設計」と「アーチサポート」の活用です。

外側重心の矯正を目的としたインソールは、内側(親指側)に高さを持たせる“内側ウェッジ”を設け、重心を母趾球(親指の付け根)へと誘導する構造が特徴です。

これにより、外側への倒れ込みを軽減し、足裏全体でバランスよく地面を捉えることができます。

また、ヒールカップは深めで踵骨を包み込むような設計が望ましく、これによって踵の位置が安定し、足首のブレを防ぎます。

特に硬度のあるTPU(熱可塑性ポリウレタン)素材のヒールカップは、外側への傾きを抑える効果が高いとされています。

素材面では、EVA(エチレン酢酸ビニル)やウレタンフォームといった弾力性素材が一般的で、歩行時の衝撃を吸収しながら、前足部の屈曲を自然にサポートします。

前足部が硬すぎると蹴り出し動作が不自然になるため、適度にしなやかな素材を選ぶことがポイントです。

サイズ選びでは、靴内でのフィット感を基準に、トリミング対応のモデルを活用するのが実用的です。

足長だけでなく足幅も考慮し、インソールが靴内でずれないように調整しましょう。

とくに市販モデルではサイズに個体差があるため、実際の靴でのフィッティング確認が欠かせません。

外側重心の傾向が強い場合は、歩行解析を行ってくれる専門店や義肢装具士によるオーダーメイドインソールの作成も検討するとよいでしょう。

歩行中の重心線の動きを分析し、個別に補正角度を設定することで、より高い安定性を得ることができます。

内側重心のおすすめインソールを比較

内側重心のおすすめインソールを比較

一方で、内側重心は外側とは逆に、足の内側(親指側)に荷重が偏る状態を指します。

この場合、土踏まずの過剰な沈み込み(過回内)や、膝の内側へのねじれが起こりやすくなります。

結果として、偏平足、足底筋膜炎、膝内側痛などのトラブルにつながるリスクが高まります。

このタイプの方には、外側に厚みを持たせた“外側ウェッジ”構造のインソールが適しています。

これにより、荷重がやや外側へ誘導され、アーチの過剰な崩れを防ぐことができます。

また、アーチサポートが適度にある製品を選ぶことで、足底筋膜を支え、足首や膝への連鎖的なストレスを軽減します。

以下の表は、一般的な内側重心向けインソールの構造的特徴を比較したものです。

製品名ではなく、機能特性に基づく分類の例としてご参照ください。

分類例 かかとカップ ウェッジ アーチサポート 衝撃吸収 特徴の目安
安定重視タイプ 深め 外側厚め 中から高 倒れ込み抑制を優先
バランス重視タイプ 外側中 中から高 歩行の自然さと安定の両立
軽快タイプ 浅め 外側薄め 低から中 履き心地と軽さを優先

このように、同じ「内側重心」でも求める方向性によって最適なインソールは異なります。

例えば、スポーツ用途で安定性を重視する場合は「安定重視タイプ」を、通勤や日常使用で自然な歩行を求める場合は「バランス重視タイプ」を、長時間の立ち仕事や疲れにくさを優先したい人は「軽快タイプ」を選ぶと良いでしょう。

試着時には、立位だけでなく実際に数歩歩いて、重心が母趾球へスムーズに移動するか確認することが大切です。

また、歩行時にインソールの端が浮き上がる感覚がある場合は、サイズや硬度が合っていない可能性があります。

理想は、足裏全体が密着し、自然なローリングが得られるモデルです。

矯正に適したインソールの特徴とは

矯正に適したインソールの特徴とは

矯正目的のインソールは、単にクッション性を高めるものではなく、足部アライメントを整え、歩行の運動連鎖を最適化する設計が求められます。

そのため、次の4つの要素が特に重視されます。

1 深いヒールカップ:踵骨の位置を安定させるため、深めのカップ形状が基本です。

深さは平均で約15から20mmが一般的で、この構造により、着地時の踵のブレを防ぎます。

2 適切なアーチサポート:足底の縦アーチと横アーチの両方を支えることが重要です。

縦アーチのサポートが高すぎると足底筋膜に圧迫がかかるため、中程度(5から8mm)から試すのが無難です。

3 内外側ウェッジ:足の傾きを補正する機構で、内側または外側をわずかに高く設計することで、荷重線を整えます。

通常、傾斜角は3から6度以内に抑えられます。

4 トップシートの摩擦係数:滑りやすい素材は重心移動を不安定にするため、程よくグリップ性のある素材(マイクロファイバーなど)が推奨されます。

日本義肢装具士協会の報告によると、過剰なアーチサポートは筋活動の抑制を引き起こすことがあるため、初期段階では中程度のサポートモデルから始めることが推奨されています。

また、使用後は足の疲労や痛みの変化を日誌のように記録し、自分の身体がどう反応しているかを定期的に確認しましょう。

痛みが増したり、歩行に違和感を感じた場合は、サポートが強すぎる可能性があります。

矯正インソールは「支える」ことだけでなく、「使わせる」ことも目的であるため、筋肉のバランスを取り戻しながら少しずつ調整していくことが理想です。

かかと重心とスニーカーの相性を検証

かかと重心とスニーカーの相性を検証

スニーカーは、インソールと同様に重心バランスの改善において極めて重要な役割を担います。

特に、かかと重心の傾向がある人にとっては、靴そのものの構造が姿勢や歩行効率に直接影響します。

スニーカーの選び方を誤ると、せっかくの矯正インソールの効果を半減させてしまう可能性もあるため、構造的特徴を理解した上で選定することが大切です。

まず注目すべきは、ミッドソール(靴底の中間層)の厚みと硬度です。

かかと重心の方は、着地時にかかとへ過剰な衝撃が加わりやすいため、踵部にやや厚みのある設計が推奨されます。

EVA素材や熱成型フォームなどの高反発クッションは、衝撃吸収と推進力の両立に優れています。

厚底スニーカーも人気ですが、過度な厚みは重心感覚を鈍らせる場合があるため、バランスを取るためにはミッドソール高30から35mm程度が理想的です。

次に、ロッカー形状(つま先が上がった形状)の適度さも重要です。

ロッカーが強すぎると、インソールのウェッジ機能やアーチサポートが作用しづらくなり、かかと重心の矯正が十分に発揮されないことがあります。

一方で、緩やかなロッカー構造であれば、踵からつま先への自然な重心移動をサポートし、インソールと協調して動作をスムーズに導きます。

さらに、アッパー(靴の甲部分)のフィット感も見逃せません。

かかと重心の人は、靴の中で足が後方へ滑る傾向があるため、靴紐をしっかり締め、アッパーが足全体を包み込むようなモデルを選ぶとよいでしょう。

特にヒールカウンター(踵を固定する部分)が硬く高めのスニーカーは、踵の安定性を確保し、重心のブレを抑える効果があります。

また、インソールを組み合わせる場合は、靴内の高さや前足部の屈曲性を確認しておくことが重要です。

インソールによって靴内空間が狭くなりすぎると、足趾の動きが制限され、重心移動が不自然になります。

必ず、立位と歩行の両方で試着し、踵から母趾球への重心の流れがスムーズに感じられるかを確認してください。

スニーカーとインソールの組み合わせは、体重移動を最適化する「セットアップ」として捉えるべきです。

足の個性に合ったスニーカーを選び、インソールの効果を最大限に引き出すことで、かかと重心の矯正効果は長期的に安定します。

かかと重心と靴選びのポイント解説

かかと重心と靴選びのポイント解説

かかと重心の人にとって、靴選びは単なるファッション要素ではなく、姿勢維持や足の健康を左右する重要な要素です。

特にビジネスシューズやパンプスなど、長時間着用する靴では、構造的なポイントを理解したうえで選定することが欠かせません。

まず重要なのが「かかとカウンター(ヒールカップ)」の構造です。

踵部をしっかりと支える硬めのカウンターは、踵骨の過度な内外倒れを防ぎ、安定した姿勢を保ちやすくします。

柔らかすぎる素材では、足の動きに靴が追随しすぎてしまい、矯正インソールの効果が十分に発揮されません。

特に男性の革靴では、踵部分に補強芯がしっかり入ったモデルを選ぶのが理想です。

次に注目すべきは「インソールの交換可否」です。

かかと重心矯正用インソールは一般的な中敷きより厚みがあるため、取り外し可能なタイプの靴が望ましいです。

固定式の靴では、インソールを重ね入れすると圧迫感や靴擦れの原因になる場合があります。

近年では、パンプスやビジネスシューズでも取り外し可能なモデルが増えており、調整の自由度が高まっています。

また、「つま先の捨て寸(靴先の余白)」も見逃せません。

前足部に余裕がないと、足趾が自由に動かず、母趾球への重心移動が阻害されます。

理想的な捨て寸は約1cmで、指先が靴の先端に触れない程度が目安です。

これにより、自然なローリング動作が生まれ、かかとから前方への重心移動がスムーズになります。

ヒール高の選び方も、重心バランスに大きく関係します。

ヒールが高すぎる靴は前足部への圧力を高め、逆に低すぎる靴は踵への負担を増大させます。

日本整形外科学会の資料によると、理想的なヒール高は約3から4cmで、これにより前後の重心バランスが最も安定するとされています。

最後に、素材と靴底の柔軟性にも注目しましょう。

アウトソールが硬すぎると、インソールの衝撃吸収性が活かされず、逆に柔らかすぎると安定性を欠きます。

中程度の硬度を持つラバーソールが、かかと重心の補正には適しています。

靴選びの基本は「インソールが正しく働く靴を選ぶこと」です。

靴とインソールを一体のシステムとして考えることで、かかと重心の改善だけでなく、長時間歩いても疲れにくい理想的な歩行姿勢を維持できます。

かかと重心とつま先重心どっちが正しい?

かかと重心とつま先重心どっちが正しい

人の立位や歩行において、「かかと重心」と「つま先重心」のどちらが正しいのかという疑問はよく聞かれます。

しかし、これは単純な二択ではなく、動作の段階ごとに最適な重心位置が変化する「連続的な移動」で考える必要があります。

立位では、かかと・母趾球・小趾球の三点で体を支えるのが理想的です。

これにより、骨格と筋肉のバランスが均等に保たれ、姿勢が安定します。

一方で、歩行時は踵で接地し、外側のアーチを経由して母趾球へと重心が移動するのが自然な流れです。

つまり、静止時と動作時で重心の位置は異なり、どちらか一方に固定することは不自然です。

つま先重心に偏ると、ふくらはぎや足底筋膜の緊張が強くなり、疲労や筋肉痛を引き起こしやすくなります。

逆に、かかと重心に偏ると、推進力が低下し、膝や腰への衝撃が増します。

このため、正しいのは「踵からつま先への滑らかな重心移動」を保つことです。

インソールは、この重心の流れを整える「ガイド」のような役割を果たします。

適切なアーチサポートやウェッジ設計により、重心が左右や前後に偏るのを防ぎ、歩行の安定性を高めます。

また、トレーニングとして、裸足での足趾運動やタオルギャザーなどを取り入れることで、足の感覚を高め、重心移動の正確さを養うことができます。

最も重要なのは、「重心をどこに置くか」ではなく、「重心をどう動かすか」です。

かかとからつま先へ自然に体重が流れる歩行リズムを取り戻すことで、姿勢も動きもより生理的なものとなり、関節への負担を軽減できます。

インソールと靴選びを通して、この“動的なバランス”を支えることが、快適で健康的な歩行への第一歩です。

【まとめ】かかと重心でインソールについて

最後に本記事で重要なポイントをまとめます。

かかと重心は踵への負担増と姿勢の崩れを引き起こしやすい
インソールは足裏の荷重バランスを整える補助として機能する
改善の基本は正しい立ち方と歩行パターンの再学習にある
かかと重心の治し方には柔軟性向上と足趾の筋活性が効果的
外側重心は内側ウェッジ入りのインソールが有効とされる
内側重心には外側を支える構造のインソールが適している
矯正用インソールは深いヒールカップで踵骨の安定を図る
スニーカー選びでは踵部の安定と屈曲性の両立が重要になる
ビジネスシューズはインソール交換が可能な設計が望ましい
つま先重心と比較して動的に重心を移す感覚が理想的である
インソールの素材は衝撃吸収と支持力の両面で検討すべき
痛み対策には圧力分散と荷重時間の調整が効果的とされる
足の重心は母趾球と踵を結ぶ範囲で分散されるのが適切である
使用環境に合わせて矯正度合いを段階的に調整するのが良い
かかと重心でインソールは継続使用で姿勢改善に寄与しやすい