ランニング後の筋肉の張りや疲労を感じたとき、どうやってケアしていますか?最近ではランニングにマッサージガンを活用したセルフケアが注目を集めています。
手軽に筋膜リリースができることから、プロ・アマ問わず多くのランナーに取り入れられており、その効果や使い方が関心を集めています。
とはいえ、「マッサージガンは体に悪いのか?」「マッサージガンはマラソンに効果がある?」「脂肪を燃焼できますか?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、ランニング後のケアとしての使い方はもちろん、マッサージガンでウォーミングアップする方法や、アスリート向けマッサージガンについても詳しく紹介します。
安全に使うために知っておきたい「マッサージガンを使ってはいけないことは何ですか?」といった注意点や、おすすめの製品情報も盛り込み、初めての方でもわかりやすく解説します。
■本記事のポイント
- ランニング後の筋肉ケアにおけるマッサージガンの効果
- 正しい使い方と使用時の注意点
- 脂肪燃焼やマラソンへの影響に関する真偽
- おすすめのマッサージガンと選び方
ランニングとマッサージガンで疲労回復と効果的ケア
ランニング後の筋肉の疲れや張りをそのまま放置していませんか?適切なケアを行わないままでは、パフォーマンスの低下や慢性的な痛みに繋がることもあります。
そこで注目されているのが「マッサージガン」です。
プロアスリートから一般のランナーまで幅広く支持されており、自宅で手軽にリカバリーを行えるアイテムとして話題です。
ここからは、マッサージガンが本当にランナーにとって効果的なのか、脂肪燃焼の可能性やおすすめ機種について詳しく解説していきます。
ランニングにマッサージガンの効果とは
ランニング マッサージガンは、ランニング後の筋肉に振動刺激を与えることで血行を促進し、筋膜や筋肉の柔軟性を高める効果があります。
筋膜リリースによって凝り固まった組織をほぐし、可動域を短時間で広げられることが知られています。
また、振動によって老廃物排出やリンパ流れが改善され、疲労物質の蓄積を防ぎ、筋肉痛(DOMS)の軽減にもつながりやすいとする研究結果が複数確認されています。
ただし、短期的な可動域の改善や柔軟性の向上には有効でも、筋力や瞬発力などパフォーマンス向上に直結する効果は限定的であると報告されており、万能ではありません。
使用時には深部まで届く強振動と、表層向けの軽振動を使い分けることで最適な効果が得られますが、過剰に強い振動や長時間の使用は筋繊維を傷つける恐れもあります。
そのバランスを保てば、ランニングの回復支援に有効なツールとなります。
ランニング後にマッサージガンを使うメリット
ランニング後にマッサージガンを使う大きなメリットは、筋肉痛や張りの緩和によって翌日の疲労を軽減できる点です。
Percussion(打撃)刺激が筋肉周辺に熱を生み出すため、血流が活性化されて老廃物や乳酸の除去が促進され、結果的に疲労感が和らぎやすくなります。
さらに、トリガーポイント(筋肉のしこり)に対して直接アプローチできる点も大きな利点で、他のセルフケア用具では届きにくい部位もしっかりケア可能です。
このメカニズムにより、筋肉の緊張が軽減され可動域が広がることで、怪我の予防やランニング後のリカバリーが効率化されます。
一方で注意点もあります。
使用後すぐに振動が強すぎると、かえって筋肉の過剰刺激につながり痛みの悪化を招くケースもあります。
最初は低強度で始め、部位ごとに30秒から1分程度の使用が推奨されています。
また、骨や関節、敏感部位には使用を避ける必要があります。
したがって、正しい使い方をすれば、ランニング後のケアにおいて筋肉の緊張緩和と回復時間の短縮によるメリットが期待できると言えるでしょう。
マラソンに効果がある?
マッサージガンはマラソン後の疲労回復や柔軟性向上に一定の効果があります。
特に、打撃刺激によって血液循環が改善され、筋肉の張りや硬直が軽減される点が注目されています。
実際に、ランナー向けメディアやリカバリーの紹介で「血流やリンパ排出が促進される」と評価されているほか、筋肉痛(DOMS)対策にも有益だとされています。
前述の通り、筋膜リリース効果により柔軟性が一時的に高まるとの報告もあり、マラソンのフォーム維持などに寄与する可能性があります。
しかし、瞬発力やバランス性能、持久力の向上に直結するというエビデンスは乏しく、万能ではない点に注意が必要です。
そのため、マラソンにおいては「効率的な回復ツールとして活用する」ことが最も現実的で、定期的な使用や適切な部位への施術が重要になります。
マッサージガンで脂肪を燃焼できますか?
マッサージガンだけで脂肪を燃焼することはできません。
脂肪減には「消費カロリー>摂取カロリー」という原理が必要であり、器具単体では脂肪細胞は減少しません。
一方で、血流やリンパの循環促進により「間接的に脂肪代謝に寄与する」という説もあります。
とくに、痩身トリートメント後の老廃物排出をサポートする役割には一定の効果が期待できると伝えられています。
しかし、これらの作用はあくまで補助的であり、ダイエット効果を得るには「適切な食事と運動が不可欠」です。
そのため、マッサージガンを使いたい場合は、健康的な生活習慣が土台となることを分かりやすく理解してください。
おすすめのマッサージガンはあるのか
マッサージガン市場は多様ですが、用途や予算によっておすすめ機種が変わってきます。
高性能で信頼性の高いものを求めるなら、Therabody Theragun Prime/Proシリーズがトップクラスです。
プロ向けには振幅16mmやガイダンスアプリ、ヒートアタッチメントなど多機能で、レビューでも回復効果が高いと評価されています。
コストパフォーマンス重視であれば、Bob & Brad D6 ProやEkrin Athletics B37/Kestrelが優秀です。
Ekrinはランニング関連メディアでも“最強バランス”とされ、Bob & Bradは深部への到達力と静音性が評価されています。
手軽な軽量モデルを求めるなら、Theragun MiniやHyperice Hypervolt Go2もおすすめです。
軽量かつ静音で携帯性に優れ、旅行や遠征先での使用に適しています。
予算を抑えたい場合は、Turonic GM5が低価格ながら特徴的な静音設計と長時間バッテリーを備えています。
これらを踏まえると、自身の目的に応じて「パワー」「静音性」「サイズ」「価格」の優先順位を明確にすることが、最適な選択につながります。
ランニングとマッサージガンの正しい使い方と注意点
ランニングのパフォーマンスを維持するうえで、日々のセルフケアは欠かせません。
マッサージガンは便利なアイテムですが、正しく使わなければ効果が半減するだけでなく、体に悪影響を及ぼすこともあります。
特に使用してはいけない部位や疾患、そしてアスリートに求められるスペックなど、見落とされがちなポイントも多く存在します。
ここでは、マッサージガンの使用リスクや注意点、そして競技者向けモデルの特徴について詳しく解説していきます。
ウォーミングアップで使う方法
ウォーミングアップにマッサージガンを取り入れると、筋肉の血流を高め、柔軟性を向上させることができます。
まずはクォッズやハムストリング、ふくらはぎ、臀部などランニングで使う主要な筋肉に対して、低~中強度で30秒ずつ当てていくのが効果的です。
振動が筋膜をほぐし、血流が促されることで、運動中の疲労感を軽減する助けになります。
ただし、マッサージガンはあくまで補助ツールです。
軽いジョギングやダイナミックストレッチなどの“動的な体の準備”と組み合わせることが望ましく、専門家も「補助として使うべき」と明言しています。
また、使用中は筋肉の“浮いている部位”を狙い、骨や関節には絶対に当てないよう注意しましょう。
適切に使えば、体が動きやすくなりパフォーマンス向上にもつながります。
筋膜リリースにおける使い方の基本
筋膜リリースでは、マッサージガンをゆっくり滑らせながら振動で筋膜の癒着や硬直をほぐすことが目的です。
具体的には、対象となる筋肉に対してツールを約1分程度当て、筋膜が滑りやすくなる感覚が得られるまで続けると効果的です。
ガンヘッドは、大腿四頭筋など大きな筋には丸型、大腿ハムストリングなど深部に届く部位には球型など目的に合わせて選びます。
軽いウォームアップ後の実施がおすすめで、軽度の筋膜癒着に対しては低~中程度の振動でも十分効果があります。
研究によると、これにより可動域が一時的に広がり、柔軟性向上につながると報告されています。
ただ、注意点として、炎症や痛みがある部位、骨に直接当たる位置での使用は避ける必要があります。
圧が強すぎたり長時間あてるのは逆効果で、筋繊維や血管にダメージを与える恐れもあるため、各部位で30秒から2分程度を目安に行ってください。
マッサージガンは体に悪いのか?
マッサージガンには多くのメリットがありますが、誤った使い方をすると体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
なぜならば、振動刺激が血管や筋肉に過度の負担をかけることがあるからです。
たとえば、首や骨の近く、関節部位に直接当てると、血管損傷や内出血、神経への圧迫を引き起こすリスクがあると報告されています。
また、骨粗鬆症など骨が弱い人が使用すると、微小骨折を誘発するおそれもあります。
このため、マッサージガンは筋肉・筋膜などの軟部組織を対象にし、骨や関節には当てないのが原則です。
“浮いた筋肉”に対して、低~中強度で短時間(部位ごとに30秒から2分程度)が基本で、使いすぎないことが重要です。
こうすることで安全に筋肉ケアを行えるようになります。
マッサージガンを使ってはいけないことは何ですか?
マッサージガンには使用を避けるべき「禁忌事項」が多くあります。
まず、皮膚に傷、熱傷、発疹、腫瘍など異常がある部位には使用できません。
加えて、深部静脈血栓症(DVT)、深部に位置する血関係の問題、骨折や手術痕のある部位は絶対に触れてはいけません。
さらに、妊娠中の腹部、ペースメーカーなど医療機器が体内に埋め込まれている場合、重度の循環器・腎臓・肝臓の疾患を抱えている人にも使用が禁じられています。
肌の感覚が鈍い部位や炎症が強い場合も危険です。
したがって、何らかの疾病や傷があるなら、医師に相談のうえで使用が望ましく、独断で使用しないことが勧められます。
アスリート向けについて
アスリート向けに設計されたマッサージガンは、高出力・多段階スピード機能・豊富なアタッチメントが特長です。
筋肉の深部まで届く高振幅(例:16mm以上)や高スタールフォース(60ポンド前後)を備え、短時間で効果的なケアができます。
実際に、Theragun Pro PlusやHypervolt 2 Pro、Bob & Brad D6 Proといった機種は、アスリートや治療家の現場で高く評価されています。
これらはウォーミングアップにもリカバリーにも使いやすく、筋疲労の軽減や可動域改善に効果があるとされています。
一方で、一般向けモデルに比べて価格が高く、重さや振動の強さがあるため、初心者や軽い運動目的の人にはオーバースペックとなる可能性があります。
このため、競技レベルが高い人や頻繁に激しいトレーニングを行う人には適しており、それ以外の人には軽量で扱いやすいモデルの方が使い勝手が良いでしょう。
【まとめ】ランニングとマッサージガンについて
最後に本記事で重要なポイントをまとめます。