テレビでマラソンを見ていると、選手が給水テーブルから自分専用らしいボトルをサッと取る場面がありますよね。「あのスペシャルドリンクの中身はいったい何なんだろう?」と気になったあなたも多いかなと思います。
実は、マラソンのスペシャルドリンクには全選手共通のレシピがあるわけではありません。水やスポーツドリンクをベースに、糖質や電解質を加えたり、モルテンのような炭水化物飲料を使ったり、はちみつやレモンを取り入れたりと、選手ごとにかなり違います。マルトデキストリンやカフェインを利用するケースもあれば、後半にコーラを使うランナーもいます。
また、キプチョゲ、大迫傑、川内優輝といったトップランナーのスペシャルドリンクも注目されますが、正確な中身は大会ごとに変わることがあり、すべてが公開されているわけではありません。スペシャルドリンクの作り方やレシピだけでなく、ボトルや容器、目印の付け方、何キロごとに飲むのか、一般人でも利用できるのかまで知っておくと、テレビ観戦でも実際のレースでも見え方がかなり変わります。
この記事では、ゼネラルドリンクやマイボトルとの違いを含め、マラソンで必要になる糖質や電解質、給水方法までまとめて解説します。スペシャルドリンクに何が入っているのかを知りたい人はもちろん、自分で用意してみたいランナーにも分かりやすく整理していきますよ。
- スペシャルドリンクの基本的な中身と目的
- 糖質やモルテンを使った補給の考え方
- トップランナーのスペシャルドリンク事例
- 給水地点や容器に関する大会ルール
マラソンのスペシャルドリンクの中身とは

まず押さえておきたいのは、スペシャルドリンクという名前だからといって、何か特別な秘密成分が必ず入っているわけではないという点です。選手が自分の体質やレース計画に合わせて用意する、いわば自分専用の補給物なんですね。ここでは中身の基本から、市販スポーツドリンクとの違いまで見ていきます。
スペシャルドリンクを使う目的
マラソンのスペシャルドリンクを使う主な目的は、水分、エネルギー、電解質をレース中に補給することです。
42.195kmを走るマラソンでは、長時間にわたって体を動かし続けます。発汗によって水分が失われるだけでなく、筋肉を動かすためのエネルギー源となる糖質も消費されます。さらに汗にはナトリウムなどの電解質も含まれるため、条件によっては水だけでなく電解質の補給も重要になってきます。
スペシャルドリンクの3つの基本目的
- 汗で失った水分を補う
- 走り続けるための糖質を補給する
- ナトリウムなどの電解質を補う
つまりスペシャルドリンクは、単なる「喉を潤す飲み物」ではありません。選手によっては飲料そのものを走りながら摂れる補給食として設計しているんです。
特に速いランナーは給水所で立ち止まれません。一度に大量の食べ物を摂ることも難しいため、必要な栄養を液体から効率よく補給できるメリットがあります。
中身は選手ごとに違う

「スペシャルドリンクの中身は何?」という疑問への答えは、実はとてもシンプルです。決まったレシピはなく、選手によって違います。
代表的な中身としては、水、スポーツドリンク、糖質入りドリンク、電解質飲料などがあります。そのほか、マルトデキストリンやフルクトースを含む炭水化物飲料、カフェイン入りの補給物などを組み合わせるケースもあります。
さらに、ボトルの外側にエネルギージェルを取り付け、ドリンクとジェルを同じ給水地点で受け取れるようにする選手もいます。
スペシャルという名前でも、中身が必ず特殊とは限りません。水だけを入れたボトルを用意する選手もいます。大切なのは「特別な材料」ではなく、自分に必要なものを自分用に準備していることです。
テレビ中継だけを見ると「トップ選手だけが知っている秘密のドリンク」のように感じるかもしれませんが、基本となる考え方は水分とエネルギー補給。意外とシンプルなんですよ。
水分・糖質・電解質が基本
スペシャルドリンクの中身を考えるとき、基本になるのが水分、糖質、電解質の3要素です。
水分は発汗による損失を補うため、糖質は運動中のエネルギー源として、電解質は汗と一緒に失われるナトリウムなどを補うために利用されます。
| 成分 | 主な役割 | 代表例 |
|---|---|---|
| 水分 | 発汗による水分損失を補う | 水・スポーツドリンク |
| 糖質 | 走行中のエネルギー補給 | グルコース・フルクトース・マルトデキストリン |
| 電解質 | 汗で失う成分を補う | ナトリウム・カリウムなど |
一般的な運動時の飲料では、糖質濃度3~8%程度、食塩濃度0.1~0.2%程度が一つの目安として示されることがあります。ただし、これはあくまで一般的な目安です。発汗量、気温、レース時間、胃腸の強さなどによって適した量は変わります。
特に暑いレースでは水分の重要性が高まり、寒いレースでは暑い日ほど水分を必要としない場合があります。一方、糖質は気温にかかわらず長時間運動のエネルギー源として重要です。水分量と糖質量を分けて考えるのがポイントですよ。
普通のスポーツドリンクでもよい

スペシャルドリンクという言葉を聞くと、自作の特別な液体を用意しなければいけないように思えますよね。でも、そんなことはありません。
普段飲み慣れている市販のスポーツドリンクでもOKですし、市販の炭水化物飲料を使う方法もあります。体質に合わせてスポーツドリンクの濃度を調整するケースもあります。
市販スポーツドリンクとスペシャルドリンクの大きな違いは、商品そのものではなく「誰に合わせているか」です。
一般的なスポーツドリンクは幅広い人が飲めるよう設計されています。一方、スペシャルドリンクは、自分の発汗量、ペース、目標タイム、気温、胃腸の強さ、使用するジェルなどを考えながら組み立てられます。
スペシャルドリンクの本質はパーソナライズです。高価な商品を使うことではなく、自分が走りながら無理なく摂取でき、必要な水分とエネルギーを補えることが最優先です。
マラソンのスペシャルドリンクの中身と作り方

自分でスペシャルドリンクを作る場合、単に糖分をたくさん入れればいいわけではありません。どれくらいの糖質を摂るのか、胃腸に負担がないか、最後まで飲みやすい味かを考える必要があります。ここからは、糖質やマルトデキストリン、はちみつ、カフェイン、モルテンなどをどう考えればよいのか整理していきます。
糖質は1時間に何グラム必要か
持久系スポーツでは、レース中の糖質補給量を「1時間あたり何グラム摂るか」で考える方法があります。
一般的な目安として、1~2.5時間程度の持久運動では1時間あたり30~60g程度、さらに長時間の運動では、十分に胃腸を慣らした競技者が複数種類の糖質を利用して最大90g程度までを検討する考え方があります。
これらの数値はあくまで一般的な目安です。体格、運動時間、ペース、気象条件、胃腸の耐性などによって適量は変わります。いきなり大量の糖質を摂取するのは避けましょう。
例えば3時間で走る人と5時間で走る人では、同じ42.195kmでも運動している時間が大きく違います。そのため、トップランナーの補給量をそのまま市民ランナーが真似すればいいとは限りません。
また、糖質補給はスペシャルドリンクだけで完結させる必要もありません。ドリンクから20g、ジェルから25gというように、飲料と補給食を組み合わせて1時間あたりの合計量を考える方法もあります。
マルトデキストリンの特徴

マラソン用のエネルギー飲料でよく目にするのがマルトデキストリンです。
マルトデキストリンはデンプンを分解して作られる炭水化物で、水に溶かしやすく、飲料からまとまった糖質を摂取しやすいという特徴があります。そのため、持久系スポーツ向けのドリンクやジェルに広く利用されています。
さらに高い糖質摂取量を狙う場合は、マルトデキストリンやグルコース系の糖質だけでなく、フルクトースを組み合わせる方法があります。
これは糖質の種類によって腸で利用される輸送経路が異なるためです。複数種類の糖を組み合わせることで、単一の糖だけを大量に摂るより多くの炭水化物を利用しやすくなると考えられています。
ただし、ここで大事なのが濃くすればするほど良いわけではないこと。糖質濃度が高くなりすぎると胃に残りやすくなり、胃もたれ、吐き気、腹痛、下痢などにつながる可能性があります。
はちみつやレモンを使う方法
昔ながらのスペシャルドリンクとしてよく名前が挙がるのが、はちみつやレモンを使ったものです。
はちみつの主成分は糖質なので、エネルギー補給源として利用できます。そこに水やレモン果汁を組み合わせれば、甘みと酸味のある飲料になります。
レモンやクエン酸を入れるメリットとしては、酸味によって甘さを強く感じにくくしたり、レース後半でも口にしやすい味に調整できたりする点があります。
クエン酸を飲めば乳酸が一気になくなり、疲労が消えるといった単純な考え方は避けましょう。スペシャルドリンクの基本は水分と糖質、必要に応じた電解質の補給です。
また、はちみつを大量に入れると甘すぎて飲みにくくなることがあります。走っているときは普段以上に濃い甘さがつらく感じる人もいますから、ロング走などで試しておくことが大切です。
カフェインやコーラを使う例

レース後半用の補給として、カフェインを利用するランナーもいます。
持久系競技ではカフェインが活用されることがあり、研究では体重1kgあたり3mg前後などが検討されることがあります。ただし、カフェインへの反応にはかなり個人差があります。
摂りすぎると、吐き気、動悸、不安感、眠れないといった症状につながる場合もあります。そのため、本番で初めてカフェイン入りジェルやドリンクを使うのはおすすめできません。
また、マラソンやウルトラマラソンでは後半にコーラを利用するランナーもいます。コーラには糖質やカフェインが含まれ、強い甘味や味の変化が気分転換になることもあります。
一方、炭酸や甘さが胃に合わない人もいます。炭酸を抜いて使う例もありますが、これも万人向けというわけではありません。
モルテンが注目される理由
近年、マラソンのスペシャルドリンク関連で特に名前を聞くことが多いのがMAURTEN(モルテン)です。
モルテンはスウェーデン発の持久系スポーツ向け補給ブランドで、マルトデキストリンとフルクトースなどを使った炭水化物補給製品を展開しています。
例えばDrink Mix 160では、1袋あたり炭水化物39g、160kcal程度という構成で、指定量の水に溶かして使用するタイプがあります。製品仕様は変更される可能性があるため、使用する際は最新の表示を確認してください。
モルテンが注目される理由の一つが、アルギン酸などを利用する独自のハイドロゲル技術です。高い糖質量を摂取しやすくすることを目的とした製品設計で、世界のトップランナーに使用例があります。
普通のスポーツドリンクに大量の粉末を入れて高濃度にすれば、モルテンと同じになるわけではありません。商品ごとの指定濃度や使用方法を守り、自作ドリンクでも極端な高濃度は避けた方が安心です。
そして最も大事なのは、どんな製品でも自分の胃腸に合うかどうか。本番の数週間前からロング走などで補給を試し、胃腸を慣らすgut trainingを意識するといいかなと思います。
マラソンのスペシャルドリンクの中身と選手例

「実際にトップ選手は何を飲んでいるの?」という部分も気になりますよね。ただ、ここはネット上で情報が一人歩きしやすいところでもあります。大会ごとに補給戦略は変わりますし、正確な配合が公開されていないケースも少なくありません。確認できる範囲と、断定できない部分を分けて見ていきましょう。
キプチョゲのスペシャルドリンク
エリウド・キプチョゲは、モルテンを使用するトップランナーとしてよく知られています。
2019年にウィーンで行われたINEOS 1:59 Challengeでは、MAURTEN側からDrink Mix 320やGEL100、後半にはカフェイン入りのGEL100 CAF100などを使用した補給戦略が紹介されています。
世界トップクラスのマラソンでは、ただ喉が渇いたときに飲むのではなく、レース全体で何グラムの糖質をどのタイミングで摂取するかまで細かく設計されていることが分かります。
ただし、キプチョゲがすべての大会で同じ内容・同じ配合を使っていると考えるのは正確ではありません。レース条件、時期、使用製品などによって補給戦略は変わる可能性があります。
大迫傑のスペシャルドリンク

大迫傑選手も、給水と糖質摂取をかなり重視しているランナーとして知られています。
本人がランナー向けのイベントなどで説明している考え方として、マラソンでは約5kmごとに給水機会があり、1時間にどれくらいの水分が必要か、どれくらいの糖質を摂取できるかを考えることが大切だとされています。
過去にはMAURTEN系の補給を使用していた可能性が報じられた例もあります。ただし、大会ごとの正確な配合まで常に公表されているわけではありません。
2026年の東京マラソンでは給水シーンそのものも注目されました。30km付近で鈴木健吾選手が自分のスペシャルドリンクを取れなかった際、大迫選手が自身のドリンクを渡し、その後35km付近でも自身のスペシャルドリンクを補給しています。
トップレベルでは数秒のロスも大きいため、スペシャルドリンクは「何を飲むか」だけでなく、確実に取る技術まで含めてレース戦略なんです。
川内優輝のスペシャルドリンク
川内優輝選手については、スペシャルドリンクのボトルに埼玉県のマスコット「コバトン」のシールを貼って識別しやすくしていることが知られています。
ネット上では、川内選手のドリンクとして、はちみつ、レモン、オレンジジュースなどを使ったレシピが紹介されることもあります。
ただし、すべてのレースで同じ配合を使っていることを一次情報で確認できるわけではありません。そのため、「川内優輝選手は必ずこのレシピを飲んでいる」と固定して考えない方が正確です。
また、2012年の東京マラソンでは序盤のスペシャルドリンクをうまく取れなかったことも話題になりました。中身を完璧に作っていても、受け取れなければ補給できません。これはスペシャルドリンクならではの難しさですよね。
ボトルに目印を付ける理由

マラソン中継を見ると、スペシャルドリンクのボトルに棒、テープ、リボンなどが付いていることがあります。「ずいぶん派手だな」と感じるかもしれませんが、あれにはきちんと理由があります。
トップクラスの男子マラソンでは平均時速が20kmを超えることもあります。その速度のまま給水テーブルへ近づき、たくさん並んだボトルの中から自分の1本を見つけなければいけません。
そこで使われるのが、
- 目立つ色のテープ
- 棒状の目印
- リボン
- 名前やゼッケン番号
- チームカラー
などです。
目印を高くしておけば遠くから発見しやすくなりますし、色を決めておけば瞬時に自分のボトルを判断できます。
目印は好きなだけ大きくできるとは限りません。大会によってボトルの高さ、幅、材質、装飾方法などの条件が決められている場合があります。参加する大会の規定を必ず確認してください。
マラソンのスペシャルドリンクの中身と給水ルール

最後に、中身だけでなく実際の運用ルールも整理しておきましょう。スペシャルドリンクは好きな場所に置いたり、沿道の知人から自由に受け取ったりできるものではありません。利用できる選手や設置地点、容器の条件は大会によって異なります。
スペシャルドリンクは何キロごとか
道路競走では給水所が約5km間隔で設けられることが多く、日本陸連の大会運営例ではスペシャルテーブルを、
- 5km
- 10km
- 15km
- 20km
- 25km
- 30km
- 35km
- 40km
といった地点に設置する例があります。
ただし、必ず5kmごとにスペシャルドリンクを飲まなければいけないわけではありません。
例えば10km地点では糖質入り、15kmでは軽い水分補給、30km以降はカフェイン入りというように、地点ごとに内容を変えることもできます。
トップランナーがボトルを一口か二口飲んですぐ捨てる場面もありますが、これも珍しいことではありません。500ml全部を飲むことが目的ではなく、予定していた量だけ摂取して余分なボトルを持たないためです。
なお、実際の設置地点は大会ごとに異なります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。
一般ランナーも利用できるのか

「スペシャルドリンクってエリート選手専用なの?」という疑問も多いですよね。
結論から言うと、大会によります。
大規模な市民マラソンでは参加者が数万人になることもあり、全員分の専用ボトルを預かって配置するのは現実的ではありません。そのため、招待選手やエリート選手、一定の資格を持つ選手だけを対象にする大会があります。
一方で、一般ランナーにもスペシャルドリンクを認めている大会があります。
例えば大田原マラソンでは、フルマラソン参加者がスペシャルドリンクを利用できる大会運用があります。2026年大会の案内では複数の指定地点から申請する形となっています。
このように、市民ランナーだから絶対に使えないわけではありません。
ただし制度は毎年変わる可能性があります。前年に使えた大会でも翌年は変更されることがあるため、申し込み時や大会直前に最新要項を確認してください。
ゼネラルドリンクとの違い
マラソンではスペシャルドリンクと一緒に「ゼネラルドリンク」という言葉を聞くことがあります。
| 種類 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| スペシャルドリンク | 選手自身が用意した飲食物 | 利用資格のある個々の選手 |
| ゼネラルドリンク | 大会側が用意する水やスポーツドリンク | 原則として参加選手共通 |
つまり、スペシャルドリンクは自分専用、ゼネラルドリンクは大会が用意する共通給水という違いです。
市民マラソンではゼネラル給水として水やスポーツドリンクが並び、さらに大会によってバナナや食品などの給食が用意されることもあります。
スペシャルドリンクを置けない大会でも、ジェルを自分で携帯し、給水所の水と組み合わせれば似た補給計画を組むことはできます。
マイボトル給水との違い
最近は環境への配慮から、マイボトルやマイカップを使う大会も増えています。
ただし、マイボトルとスペシャルドリンクは同じものではありません。
スペシャルドリンクは、事前に自分専用の飲料を主催者へ預け、指定された場所に置いてもらう方式です。
一方のマイボトル給水は、ランナー自身がボトルを携帯し、給水ポイントで水やスポーツドリンクなどを補充する方式です。
マイボトルには、自分の好きなタイミングで少量ずつ飲めるメリットがあります。その反面、ボトルを持って走る重量や携帯方法を考える必要があります。
どちらが優れているというより、大会ルールと自分の走り方に合わせて選ぶものですね。
容器や受け取りで注意すること
スペシャルドリンクでは、中身だけでなく容器にもルールがあります。
大会によっては、
- ボトルタイプのみ使用可能
- ビンや金属容器は禁止
- 高さや幅に上限がある
- 名前やゼッケン番号を記入する
- 設置地点を明記する
といった条件があります。
海外大会でも金属製やガラス製容器を禁止したり、全体の高さを制限したりする例があります。世界共通で一律のサイズが決まっているわけではありません。
そして意外と見落としやすいのが、使用後の容器が返却されない大会があることです。お気に入りの高価なボトルを使う前に確認しておきましょう。
また、コース脇にいる家族や知人から好きな場所で飲み物を受け取る行為は、大会規則上問題になる場合があります。公認記録を狙う場合は特に、決められた供給場所や大会ルールに従う必要があります。
大会ごとに給水地点、利用資格、容器規定、預け方は異なります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。
濃すぎるドリンクに注意する
自作スペシャルドリンクで特に気を付けたいのが、「たくさんエネルギーを摂りたいから糖質をどんどん濃くする」という考え方です。
確かに濃度を上げれば、1本に入る炭水化物量は増えます。しかし、高濃度になりすぎると胃から腸への移動が遅くなり、走行中に胃が重くなったり、吐き気や腹痛が出たりすることがあります。
最大量を入れることより、走りながら吸収できる量を見つける方が大切です。
また、水を飲みすぎるのもよくありません。長時間の運動中に必要以上の水分を摂取すると、血液中のナトリウム濃度が下がる運動関連低ナトリウム血症につながることがあります。
そのため、「脱水が怖いからとにかく大量に飲む」「糖質が必要だから限界まで濃くする」といった極端な方法は避けた方が安心です。
本番前に必ず練習で試す
ロング走などで、飲む量、濃度、味、糖質量、摂取タイミング、カフェインの有無、ジェルとの組み合わせまで確認しておきましょう。本番は実験の場ではありません。
特に糖質を1時間あたり60g以上など多めに摂る計画なら、日頃のトレーニング中から胃腸を補給に慣らしていくことが重要です。
発汗量や必要な補給量には大きな個人差があります。体調に不安がある場合や、持病・服薬などがある場合は自己判断だけで極端な補給方法を試さず、最終的な判断は専門家にご相談ください。
マラソンのスペシャルドリンクの中身まとめ

マラソンのスペシャルドリンクの中身には、全選手共通の決まったレシピはありません。
基本になるのは、水分、糖質、必要に応じた電解質です。そこにマルトデキストリンやフルクトースを使った炭水化物飲料、モルテンなどの市販製品、ジェル、カフェインなどを組み合わせる選手もいます。
はちみつやレモン、コーラを使う例もありますが、どれも全員に合うものではありません。トップ選手が使っているからといって、そのまま真似すれば速く走れるわけでもないんですね。
そして忘れてはいけないのが、スペシャルドリンクは中身だけで完成するものではないということ。ボトルを見つけやすくし、走りながら確実に取り、予定した量を無理なく飲めて初めて役に立ちます。
あなたが実際にスペシャルドリンクを使える大会へ出場するなら、まず普段飲み慣れているスポーツドリンクや補給食を基準にして、練習で少しずつ調整していくのが無理のない方法かなと思います。
大会のスペシャルドリンク制度、給水地点、容器サイズなどは変更される可能性がありますので、正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、体調や栄養面に不安がある場合は、スポーツ栄養士や医療従事者など、最終的な判断は専門家にご相談ください。

